レビュー : エントリ
| 性的なことば (講談社現代新書 2034)
斎藤 光(編集), 澁谷 知美(編集), 三橋 順子(編集), 井上 章一(編集) |
ituka ( 2010/03/07 ) 11人の著者による「性的なことば」に関する随筆集。ここで随筆と書いたのは近世文学における意味である。普通の言葉でいうと考証(広辞苑によると「昔のことを調べ考え、証拠を引いて説明すること」)である。3部構成だがほとんど意味がない。要するに自由に並べただけ。例えば第1部は「誰でも知ってるあの言葉」だが「愛人」「不倫」ときて「まんこ、やりまん、あげまん」といきなり危ない言葉があり「おとな、アダルト」「SM」と続く。「まんこ」が誰でも知ってるかどうかは疑問だがそんなことはどうでもいいのだ。要するにゆるい構成なのである。でもそれがいい。 実は本書は国際日本文化研究センター(大学共同利用機関法人人間文化研究機構要するに国立で通称日文研)性欲研究班による「性欲の社会史」研究の報告書なのである。3月は憂鬱な月である。やたらとゆるい報告書なるものが刊行されるのだ。無理やりつけたタイトル、どこが関係あるのかわからない論文、予算が支給された研究活動の成果を報告しなければいけないから出しただけというものが多いのだ。そのな中でこれほど面白い報告書は初めてだ。まさに国際(的)日本文化研究そのものである。 見出しの一部から内容を想像してもらおう。「ちちくる」「くろうと」「ストリップ」「四十八手」「すまた」「わかめ酒」「チラリズム」「花電車」「数の子天井・みみず千匹 」。花電車は飾りつけた見るだけで乗せない特別運行の路面電車(要するにエレクトリックパレードの乗り物)から性的な芸を見せることになるのだが実は始めた女性が簪(かんざし)が好きであだ名が花電車だったからというどうでもいい知識を知った。これが最初に書いた考証文芸=随筆の楽しみなのである。 同じく講談社現代新書から出ている「性の用語集」(「性欲の文化史」研究の報告書らしい)の続編である。 |
| ¥998 |
発売:2010-01-19 | セールスランク:121105 在庫あり。 |
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